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今月のUFJ Card magazine

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特集1 世界体感。マンハッタン、新建築探訪。
経済、ファッション、広告業界の中心地、マンハッタンに、現代を代表する建築のマエストロたちが手がけた建築物が次々と登場している。今がニューヨークの建築史のなかで、ひとつの重要な時代として記憶される可能性は大きい。今回の『世界体感。』は、新しい文化の震源地であるダウンタウンから、古いものを蘇らせるミッドタウンまでを散策し、魅力あふれるニューヨークの新建築を紹介する。歴史的建造物を土台に、ウルトラモダンなガラスのタワーを建てた『ハーストタワー』。ほとんど廃墟と化していたビルをリニューアルオープン先に選んだ『ミュージアム オブ アーツ アンド デザイン』は、リノベーションのおかげで、現在ではマンハッタンの夜景に華を沿えるほどに美しい建築物だ。新建築を見ることで、常に進化しながら前人たちの遺産を残そうとする「古くて新しい」街のあり方が見えてくる。また、散策の予備知識になるニューヨーク建築の流れや、散策の楽しみ方を、『ニューヨーカー』誌の建築評論家、ポール・ゴールドバーガーさんに聞いた。
 
日本の並木道。神宮外苑銀杏並木 東京都・青山六本木周辺
取材を振り返って/小林泰彦
今回は神宮外苑の銀杏(いちょう)並木から青山、六本木と新しい美術館、アートスポットを巡る散歩コースを設定したのだが、その取材を終えてわかったのは、現代のアート愛好家は初めからモダンアートに接してそのままアートの世界へと入って行き、しかも初めからアートを身近なものとして楽しんでいることで、またその主流は女性なのである。旧時代の日本の美術は帝展、日展といった官展の権威の下に展覧会が開かれ、その中心は東京・上野の森で、人々はそれをありがたく観賞して教養の一部とし、しかもその主流は男性だった。そうした構図は官展の崩壊、美術団体の独立、さらに作品を個展で自由に世に問うようになって消滅したかに見えたが、初めからモダンアートに接してアート愛好家になる人々の時代が、六本木アートトライアングルの出現によって決定的となった。アートな雰囲気のカフェで憩い、上質なレストランでアートを語ることも含めて、アートを“楽しむ”時代の到来を大いに祝いたい。
こばやし やすひこ
画家、イラストレーター。 1935年、東京生まれ。社会風俗、環境、街、自然、スポーツ、登山やハイキングなどのイラストレーションを中心に制作活動中。小説の挿絵、本の装丁、絵と文によるレポートや紀行ものも手掛け、国内外の旅にもよく出かけることから、旅の名人としても知られる。近著に『イラスト・ルポの時代』(文藝春秋刊)がある。
 
もてなしのスガタ。京都府京都市『柊家』
古い商家や町家が軒を連ねる麩屋町に、ひときわ落ち着いた純和風建築の佇まいをみせているのが、京都屈指の老舗旅館『柊家』。創業は江戸時代。明治・大正のころは、政治の要人、昭和に入ってからも川端康成、三島由紀夫といった文人が数多く訪れたことでも知られる。『柊家』には、創業以来より受け継がれるもてなしの真情がある。それは、「わが家に帰ってきたようにくつろいでいただきたい」という心。女将をはじめスタッフ一同がこの心をもってお客を迎えてくれる。坪庭と美しい調和をとる客室や、宿の歴史が見て取れる調度品、四季折々の京の食材を使った料理は、控えめで美しく、それでいて静かな華やかさがある。2006年、「ほんものを今の時代に残し、次の時代にまできちんと伝えていかなくては」という思いから、新館が誕生した。渡り廊下で繋がった旧と新の空間、そして細やかなもてなしが、目的さまざまに訪れた宿泊客にふるさとのようなぬくもりを与えることだろう。
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